初期状態では、面のすべてのマテリアル(自動作成されたガラスと水のマテリアルを除く)はインポートされたマテリアルです。
Lumionでモデルの見た目や品質に変更を加えるには、スタンダードマテリアルを使用します。
スタンダードマテリアルは多くの面に使用され、Lumionライブラリマテリアルの多くに使用されている基本のマテリアルタイプです。
1. テクスチャー
マテリアルをインポートマテリアルからスタンダードマテリアルに変更すると、カラーマップテクスチャが転送されます。
他のタイプのマテリアルやテクスチャは、インポートマテリアルには存在しません。 そのため、見た目を修正するために、他のテクスチャタイプを変更または追加する必要があることがあります。
1.1:カラーマップ
このテクスチャスロットは、独自のカラーマップ(拡散反射)テクスチャをモデルに追加することができます。カラーマップテクスチャは、様々な目的に使用できるアルファチャンネルを含むことができます。 詳細については、以下のセクション3を参照してださい。
カラーマップスロットに動画(.MP4ファイル)を割り当てることができます。これにより、TVビ画面やビデオウォールなど、様々な用途でアニメーションテクスチャを表示することができます。詳細については、以下のリンクをクリックしてください。
- ナレッジベース:テレビに動画テクスチャを追加する方法はありますか?
Lumion外でモデルに割り当てられたテクスチャは、マテリアルセットにコピーしたり保存したりすることはできませんので、ご注意ください。
1.2:ノーマルマップ
このテクスチャスロットは、独自のノーマルマップ(レリーフ)テクスチャをモデルに追加することができます。ノーマルマップは、マテリアルに深度を追加します。
ノーマルマップを追加した例
埋め込みアルファマップ:
Lumion 12は、以前のバージョンのマテリアルを引き続きサポートします。
テクスチャファイルにアルファマップを埋め込む際に、以前のバージョンで必要とされた手順をまだ踏んでいる場合、同じように適用されます。
ノーマルマップがアルファチャンネルを含む場合、グロスマスクとして使用されます。このマスクタイプは8ビット、つまりアルファチャンネル内の256のグレースケールトーンすべてをサポートします。
アルファマップの直接付加:
グロスマップ(マスク)をマテリアルに追加したい場合は、グロススライダーの左側にある独立したマップスロットを使用します。
このマスクタイプは8ビット、つまりアルファチャンネルの256のグレースケールトーンすべてをサポートしています。
下記のセクション3も参照ください。
1.3:ノーマルマップの作成
新しいカラーマップテクスチャをマテリアルに追加すると、Lumionは自動的にノーマルマップとグロスマスクをグロスマップスロットに作成します。
読み込まれたカラーマップ
グロスマップと同様に自動作成されるノーマルマップ
また、マップスロットを使って独自のグロスを追加し、ファイルからマップを読み込むことも可能です。
既存のノーマルマップを削除する場合は、ノーマルマップをクリックし[ テクスチャの削除 ]をクリックします。
- ノーマルマップスロットをクリックして、ファイルをロードしてください。
- あるいは、カラーマップからノーマルマップを自動的に作成することもできます。下記1.3.1を参照ください。
1.3.1:カラーマップからノーマルマップを作成
[ カラーマップからノーマルマップを作成 ]ボタンをクリックすると、使用しているカラーマップテクスチャに基づいてノーマルマップとグロスマスクがLumionによって自動的に作成されます。
これは、ノーマルマップスロットが空の場合(ノーマルマップスロットが作成されていないか、読み込まれていない場合)に利用できます。
1.4:ノーマルマップの方向を反転
Lumionがカラーマップを元にノーマルマップを作成した後、またはマップを読み込んだ後、このボタンをクリックすると、凹凸の方向を反転できます。
ノーマルマップを反転
もう一度クリックすると、反転したレリーフから通常のレリーフに変更できます。
ノーマルマップジェネレータの使い方は下記の記事を参照ください。
- ナレッジベース:Lumion 12でノーマルマップはどのように機能しますか?
1.5:ディスプレイスメントマップ
このテクスチャを使うと、平らなマテリアルが立体的に見えるようになります。
ディスプレイスメントマップは、黒(0)から灰色、白(255)までの256のオフセット値を持つグレースケールマスクテクスチャです。
テクスチャのグレースケールのトーンによって、面のオフセットが決まります。純粋な黒(0)の領域は全くオフセットされませんが、 純粋な白(255)の領域は最もオフセットされます。
画像は4で割り切れるものでなければなりません。例:2048、1052など
また、歪みを避けるために、画像は幅と高さが同じ解像度(正方形)であることが望ましいです。例え:2048x2048、1052x1052など
Lumion 10.3以降のバージョンでは、独自のディスプレイスメントマップをインポートすることができます。
最高のパフォーマンスを得るには、最大幅/高さが4,000ピクセルまでのテクスチャのみをインポートしてください。
マテリアルライブラリで「D」のアイコンが表示されているマテリアルには、あらかじめディスプレイスメントマップが含まれています。
2. 標準スライダー
2.1:カラーライゼーション
スライダーの数値:
- 0から0.5の間、カラーマップはカラーセレクターで選択した色でカラーマップ着色していきます。
- 0.5から1の間、選択された色に徐々に置き換えられます。
2.2:グロス
スライダーの値を変更して、光沢(反射)をシャープにしたりぼかしたりすることができます。
グロスマスクの使用:
- ノーマルマップのアルファチャンネル。(詳しくはこちらを参照ください)
- テクスチャをグロスマスクとしてスロットに読み込んだ場合。
スライダーの数値:
- 0.0:光沢なし(非常にぼやけた反射)
- 1.0:グロスマスクのグレースケール値に対応
- 1.0以上:グロスマスクの値が1から2倍になります(上限は2.0)
- グロスマスクが存在しない場合:マスクが100%白と想定される(1.0〜2.0で最大の光沢が出る)
2.3:反射性
スライダーの値を変更することで、反射の強さや量を調整することができます。
スライダーの数値:
1.0から2.0の間、マテリアルはメタリック反射に切り替わり、反射をマテリアルカラーで色付けられます。
反射マスクの使用:
カラーマップのアルファチャンネルに反射マスクを埋め込んでいる。
テクスチャを反射マスクとしてスロットに読み込んだ場合。
下記セクション3も参照ください
スライダーの数値:
- 0.0:反射なし
- 1.0:反射率マスクのグレースケール値に対応
- 1.0以上:反射率マスクの値が1から2倍になります(上限は2.0)
- スライダー値が2.0に近いほど、きれいに反射します([ 光沢 ]スライダが高い値に設定されている場合)
2.4:レリーフ
マテリアルの凹凸 - マテリアルが
ノーマルマップを使用している場合に限ります。
2.5:ディスプレイスメント
マテリアルがディスプレイスメントマップを使用している場合、3D効果の強さを変更できます。
2.6:マップスケール
マテリアルのサイズを調整できます。
スライダーの数値:
- 0 :モデリングソフトからインポートされたテクスチャ座標を使用
- 0以外:マテリアルは自動的にテクスチャ座標を持つボックスマッピングに切り替わります
- 1.0:正方形のテクスチャを使用した場合、テクスチャはモデル上で1x1メートルで表示されます(モデルが拡大または縮小されていない場合)
3. テクスチャアルファ
反射マスク、透明マスク、発光マスクのいずれかを指定するボタンです。
4. 拡張設定
4.1:ポジション
X / Y / Zオフセット:これらのスライダーを調整して、カラーマップとノーマルマップの位置を変更します。これはマップスケールの値が0を超える値の場合にのみ可能です。
4.2:方向
Y軸/X軸/Z軸を中心に回転:これらのスライダーを調整して、カラーマップとノーマルマップの角度を変更します。これはマップスケールの値が0を超える値の場合にのみ可能です。
4.3:透明度
4.3.1:ワックス塗装
スライダーを調整し、マテリアルのワックス性を変更します。
現実と同じように、明るいマテリアルは暗いマテリアル(光を吸収する)よりも多くの光を透過します。黒いマテリアルはスライダーを最大に設定しても効果が見られないです。
ワックス塗装は、太陽光とエリアライトまたはラインライトにのみ作用します。技術的制限のためスポットライトやオムニライトのような他の人工光源では機能しません。(バージョン 11.5 以降)
例:ワックス塗装
4.3.2:透明度
スライダーを調整して、モデルの透明度を変更します。
- カラーマップのアルファチャンネルで透明マスクを使用します。(3. テクスチャアルファを参照)
- アルファクリップマップスロットに、テクスチャを透明マスクとして読み込みます。
スライダーの数値:
- 0.0:不透明
- 1.0:透明マスクの透明度の値に対応
最終的な透明度の値は、画像/ムービーをレンダリングする出力品質設定に基づいて、様々なレベルの透明度に変換されます。
- 4つ星の出力品質:16レベルの透明度
- 3つ星の出力品質:8レベルの透明度
- 2つ星の出力品質:4レベルの透明度
4.4:設定
4.4.1:発光性
値を低く設定するとマテリアルが明るくなり、値を高くすると設定すると発光します。
- カラーマップのアルファチャンネルで発光マスクを使用します。(3. テクスチャアルファを参照)
- アルファクリップマップスロットに、テクスチャをグロスマスクとして読み込みます。
スライダーの数値:
発光スライダーはマスクされた領域にのみ影響します。(3. テクスチャアルファを参照)
4.4.2:彩度
値を低くするとカラーマップ テクスチャの彩度が低くなり、値を高くすると彩度が高くなります。
4.4.3:鏡面反射
スライダを高くすると、マテリアルの鏡面反射ハイライトを強調できます。
- 参考動画:「Specular Maps in Lumion comparison」by CWeltonDesign(英語)
- 参考動画:「Make Metal Materials POP with the SPECULAR Slider in LUMION!!」by Luminous Labs(英語)
4.4.4:フリッカー低減
この設定は、カメラを動かしたときにモデルの面が重なっている箇所で、ちらついたり消えたりする場合にのみ使用してください。
極端な値の設定は避けてくださいSHIFTキーを押しながらスライダーを動かし、表面のちらつきが止まるまでマウスカーソルを左右に動かしながら、少しだけ調整してください。
あくまで回避策であり、本来はモデリングソフトで面が二重にならないよう、サーフェスがオフセットされていることを確認して、ちらつきが発生しにくいようにすることを推奨します。
4.5:風化
4.5.1:風化
このスライダーは、マテリアルに経年劣化と風化の効果、汚れ、錆などを追加します。
プリセットから使用するマテリアルに合うプリセットを選択し、スライダーの値を設定します。
- プリセット(左上から右下):
石、木材、皮革
Brushed steel(鋼)、Silver/Aluminium(銀/アルミ)、 Gold(金)
鉄、 Copper(銅)、プラスチック - 0:風化の表現は反映されません。
- 0.0から0.5:風化の表現ができます。
- 0.5から1.0:風化の表現に加えて、汚れが表現できます。
風化の例
4.5.1:エッジ
このスライダーはオブジェクトのエッジを滑らかに(面取り)します。
エッジの例
4.6:ツタ
4.6.1:伝播
葉の分布量を調整します。
葉の分布量が少ないまたは不均一な場合、以下の記事を記事を参考にしてください。
- ナレッジベース:ツタの分布量が少ない場合どうすればいいですか?
4.6.2:葉のサイズ
葉のサイズを調整します。
4.6.3:葉のタイプ
スライダーを調整して、葉の種類を変更します。9つのプリセットがあります。
4.6.4:オフセット
スライダーを調整して、葉の分布をランダム化できます。
4.6.4:グラウンドレベル
モデルがLumionのテレイン/地形より上または下にある場合、このスライダーで調整します。
スライダーの値は、メイン設定画面で選択した単位に応じてメートルまたはフィートで表示されます。
関連情報:
- ナレッジベース:Lumion12以降のバージョンでマテリアルをコピー、貼り付け、保存、ロードするにはどうすればよいですか?