Lumion 2023のスタンダードマテリアルのプロパティで何ができますか?

Lumion 2023のスタンダードマテリアルのプロパティで何ができますか?




特徴と特性

1. はじめに





モデルの多くの面のマテリアルの設定をする際に、スタンダードマテリアルを使用します。
初期状態では、モデルをインポートした後、面のすべてのマテリアル(自動作成されたガラスのマテリアルを除く)はインポートマテリアルになります。



Lumion内でモデルの見た目や品質に変更を加えるには、スタンダードマテリアルを使用します。
スタンダードマテリアルは多くの面に使用され、Lumionライブラリマテリアルの多くで使用されてるベースとなるマテリアルタイプです。 

[ マテリアル ]タブ > [ 新規 ]タブで利用できます。

現在のマテリアルから違うマテリアルに交換することができる、最も一般的なマテリアルです。




以前のバージョンからの重要なワークフローの変更:

インポートされたマテリアルの設定を編集することができます。
以前は、スタンダードマテリアルなど別のマテリアルに手動で変更するまで編集できませんでした。

例:




例えば、テクスチャスライダーの値を変更したり、テクスチャマップを削除したりするなどの変更を加えると、Lumionはマテリアルをスタンダードマテリアルとして扱うようになります。




2. Lumion PBRマテリアル

マテリアルは、共通/標準設定と拡張設定にある色とテクスチャにより定義され、固有の見た目と光への反応方法を提供します。

Lumioには、メタルネス/ラフネスワークフローを使用した、以下のプロパティが設定できるPBR(物理ベースレンダリング)マテリアルがあります。

  1. テクスチャ/カラーマップ:この値を増やすと、設定された色と読み込まれたアルベド/ディフューズテクスチャがブレンドされます。
  2. マップスケール
  3. レリーフ
  4. 粗さ:以前のスタンダードマテリアルではグロスを使用していましたが、粗さは基本的にその逆です。
  5. 反射性
  6. メタリック:面の金属性を設定する独自のスライダーが追加されました。
  7. 発光の強さ
  8. ディスプレイスメント
  9. 不透明度:アルファマップを使用できます。
  10. サブサーフェススキャッタリング:以前のスタンダードマテリアルのワックス塗装/透明度に似ています。
  11. クリアコート:Lumionライブラリのカーモデルでのみ利用できた設定が利用できるようになりました。

PBR対応する入力マップ:
  1. テクスチャ(カラー)
  2. レリーフ
  3. ラフネス(グレースケール、グロスマップの逆)
  4. 反射(グレースケール)
  5. メタルネスマスク(グレースケール)
  6. エミッシブマスク(グレースケール)
  7. オパシティマスク(グレースケール)

リアルタイム環境における業界標準のマテリアルワークフローの詳細については、以下の記事を参照ください。
  1. 外部リンク:Marmoset: Physically-Based Rendering, And You Can Too!(英語)

以前のバージョンからのマテリアルシステムの変更点については、こちらの記事を参照ください
  1. ナレッジベース:以前のバージョンからLumion 2023への作業の移行に関して


3. プロパティ

3.1:各種プロパティ

13種類のマテリアルプロパティ(メイン)、8種類のマップ、2種類のカラーパレット


 
 共通のプロパティ:
 
    カラー:スライダー
 テクスチャ(カラーマップ):スライダーとマップ
 マップスケール-インポート:スライダー
 レリーフ:スライダーとノーマルマップ
 粗さ:スライダーとラフネスマップ
 反射性と反射マップ
 メタリックとメタルネスマップ



 設定タブ(拡張プロパティ)のスライダープロパティとマップ:

 発光の強さとエミッシブマップ
 ディスプレイスメントとディスプレイスメントマップ
 不透明度とオパシティマップ
 サブサーフェススキャッタリングとカラー


 拡張プロパティ:
位置

 X軸オフセット:X軸方向にテクスチャを移動
 Y軸オフセット:X軸方向にテクスチャを移動
 Z軸オフセット:X軸方向にテクスチャを移動
 X軸を中心に回転
 Y軸を中心に回転
 Z軸を中心に回転


 拡張プロパティ:風化


 風化:風化の強さ
 風化のタイプ:石、木材、皮革、鋼、銀/アルミ、金、鉄、銅、プラスチック





 拡張プロパティ:ツタ


 伝播:葉の分布量
 葉のサイズ
 葉のタイプ
 オフセット:葉の分布のランダム化
 グラウンドレベル:ツタの位置の調整




 拡張プロパティ:設定


 エッジエッジを滑らかに(面取り)する
 彩度:彩度の調整(スライダー値が高いほど彩度が高い)
 クリアコート面に無色透明の樹脂のような仕上げ層を加える
 フリッカー低減:モデルの面が重なっている箇所でちらつきの修正


注意:フリッカー低減は、カメラを動かしたときにモデルの面が重なっている箇所で、ちらついたり消えたりする場合にのみ使用してください。
極端な値の設定は避けてくださいSHIFTキーを押しながらスライダーを動かし、表面のちらつきが止まるまでマウスカーソルを左右に動かしながら、少しだけ調整してください。
あくまで回避策であり、本来はモデリングソフトで面が二重にならないよう、面が重ならないようにし、ちらつきが発生しにくいようにすることを推奨します。


拡張プロパティを非表示にするには、[ 拡張設定を非表示 ]をクリックしてください。


拡張プロパティを表示にするには、[ 拡張設定を表示 ]をクリックしてください。


3.2:マテリアルタイプの変更

インポートマテリアルのプロパティや設定を変更すると、Lumionはガラスなどの特定のタイプのマテリアルを選択していない限り、自動的にそのタイプをスタンダードマテリアルに変換します。
(以前のバージョンでは、標準素材を直接選択する必要がありました。)

これは、例えば[ 設定 ]タブでテクスチャマップやノーマルマップを読み込んだ場合に起こります。





4. 一般ツール

他のマテリアルタイプにも共通する4つのツールがあります。



4.1:マテリアルの検索

このボタンを使って、Lumionマテリアルライブラリでマテリアルを検索する。(Lumionライブラリマテリアルの場合)



4.2:マテリアルをコピー/マテリアルを張り付ける

詳しくは下記の記事を参照ください。
  1. ナレッジベース:Lumion2023でマテリアルをコピー、ペースト、保存、ロードするにはどうすればよいですか?

4.3:コンテキストメニュー

詳しくは下記の記事を参照ください。

5. マテリアル設定の方法

モデル面をシングルクリックすると、最後に使用したタブのマテリアルエディタが開きます。
モデル面をシングルクリックまたはダブルクリックすると、[ マテリアル設定 ]タブが開きます。



他のタブを開いたままエディタを終了すると、次回エディタを開くときにワンクリックでそのタブに戻ります。

マテリアル設定にアクセスしてタブが開いたら、ダブルクリックする必要はありません。
シングルクリックするだけで、選択したマテリアル設定タブに変わります。

モデル面をクリックし、以前に[ マテリアルタブ ]を使用していた場合:



この場合、ビューに必要なモデル面のマテリアル設定が表示されないことがあります。



[ 設定 ]タブをクリックするだけで表示されます。

以前、[ 設定 ]タブにアクセスしていた場合は、クリック/選択した面の設定/プロパティが表示されます。



記事の後半にある、新しい[ ライブラリからマテリアルを探す ]ボタンの使い方もご覧ください。


6. テクスチャ

マテリアルをインポートマテリアルからスタンダードマテリアルに変更すると、カラー値とカラーマップテクスチャが転送されます。
他のタイプのマテリアルテクスチャは、インポートマテリアルには存在しません。
そのため、モデルの面の見た目を向上させるためには、他のテクスチャタイプを変更または追加する必要があります。

例えば、マテリアルが光に反応したときにどうなるかをシミュレートするためなどに見た目を変更します。
非常に滑らかな金属面と、金属でありながら非常に粗い面では、見た目も光への反応も大きく異なります。

6.1:テクスチャマップの読み込み

ほとんどのプロパティで、画像をテクスチャマップ/マスクとして読み込むことができます。
スライダーの値を変更することで、様々なプロパティがテクスチャとどのように相互作用するかについて説明します。

マップを持つすべてのプロパティには、マップが適用されるレベル/強さを設定するスライダーがあります。

また、マップの読み込みは、ワンクリックで行うことができます。








7. マテリアル設定

7.1:主なマテリアルプロパティ

これらのプロパティは、モデル面のベース/メインの見た目を定義します。
面には、少なくとも次のような次の特性が必要です。

  1. カラー/テクスチャ:
    アルベトとも呼ばれます。
    基本的な見た目、色を定義します。
    テクスチャの場合、1つの領域に対して複数の色を提供します。
    一方、カラーは単一のカラー (カラー値) として面全体に適用されます。
  2. マップスケール(インポートまたはカスタム):
    テクスチャを使用し面を覆う場合のテクスチャの大きさ/繰り返す回数
  3. レリーフ:
    モデル面の表面の滑らかさと奥行きが3Dでどのように見えるかを設定します。
  4. 粗さ:
    光を反射または吸収し、反応を設定します。
  5. 反射性:
    反射の強さを設定します。
  6. メタリック:
    マテリアルが絶縁体 (誘電体) であるか金属 (導電性) であるかを定義します。
    金属マテリアルの例には、銅、金、鋼などの金属が含まれます。
    絶縁体マテリアルの例には、革、ガラス、プラスチック、木材、セラミックなどが含まれます。
    メタリックプロパティを使用すると、拡散レベルをより低くして反射率を高めることができます。




7.2:カラー

色の値です:



カラーパレットを使用して定義します。


必要なカラー値のみを選択します。
テクスチャスライダー(下記参照)で、どの程度カラーが含まれるかを決定します。
現在、この設定にスライダーはありません。




7.3:テクスチャ(カラーマップ)

テクスチャマップを使用すると、独自のカラーマップ(ディフューズ/アルベド)テクスチャイメージをモデルに追加できます。

不透明度(透明度)マップを追加して、テクスチャマップの一部をクリアすることができます。
不透明度マップの詳細は、セクション9.5「不透明度と不透明度マップ」を参照ください。

7.3.1:テクスチャマップの読込み

セクション 6.1:テクスチャマップの読み込み(上記) を参照ください。

7.3.2:テクスチャマップの削除

テクスチャマップスロット (または他のマップスロット) 内のマップは、[ 削除(ゴミ箱)] ボタンを使用して削除できます。





7.3.3:元のテクスチャマップの復元

[ インポートされた元のテクスチャを復元 ]ボタン(23.1.0以降の新機能)をクリックすると、元のテクスチャが復元されます。(インポートされている場合
このボタンは、テクスチャマップが空の場合(例えば、上記セクション7.3.2のようにマップを削除した後)にのみ使用できます。





7.3.4:テクスチャマップの適用

空のテクスチャマップスロットまたはレリーフマップ(ノーマルマップ)スロットにテクスチャを適用すると、スライダーは自動的に100%に設定されます。
バージョン23.0.0から23.0.3では、テクスチャスライダーは以前の設定のままで、マップが追加されたことが反映されていない可能性があります。

7.3.5:動画テクスチャ

テクスチャマップに .MP4 ビデオファイルを割り当てることもできます。
これにより、例えばテレビ画面やビデオウォールなど、様々な目的でアニメーションテクスチャを表示することができます。
詳しくは以下の記事を参照ください。
  1. ナレッジベース:テレビに動画テクスチャを追加する方法はありますか?
Lumionは、不透明度マップ(オパシティマップ)を使用して、テクスチャマップの領域をグリーンスクリーニングのように透明にできるようになりました。
これはMP4フォーマット自体の制限なので、MP4ビデオファイルのアルファチャンネルのサポートとは異なることに注意してください。
  1. 外部リンク(動画):MP4ビデオの使用とビデオの一部の透明化する例
注意:Lumionの外でモデルに割り当てられたテクスチャは、マテリアルセットにコピーしたり保存したりすることはできませが、現在はマテリアルファイル用にコピーまたは保存できます。



7.3.6:テクスチャ(カラーマップ)スライダー値 - 0% - 100%

0% - 50%:
  1. 単色から、単色にテクスチャを100%乗算してブレンドされます。
50% - 100%:
  1. テクスチャ画像のみになるまでブレンドしていきます。


  

テクスチャマップスロットにテクスチャがない場合:  

  • マテリアルプロパティテクスチャが読み込まれていない場合、Lumionはデフォルトのマップを使用します。
  • テクスチャマップテクスチャの場合、デフォルトは白いマップです。
  • テクスチャ マップスロットにテクスチャがない場合は、RGB カラー 256,256,256 (16 進数: #ffffff) のデフォルトの白いテクスチャが乗算されます。
  • 例えばライトグリーンの単色無地の場合、テクスチャスライダーの値は次のように適用されます:
    • 0%では単色のライトグリーン。
    • 0% - 50%では、同じ色(単色×テクスチャ色(白))のままです。 
    • 51 - 100%では、ライトグリーンからテクスチャの完全な白までブレンドされます。

7.4:マップスケール(インポートまたはカスタム値)

 

マッピングを0に設定しても、Lumionはインポートされた値の使用に切り替えます。
これは、3Dモデリングソフトウェアで適用されたインポートされたUVマッピングを使用します。

値が0より大きい場合、自動(ボックス)マッピングが使用されます。
使用する値は、ワールド空間(以前はローカルオブジェクト空間)でのテクスチャの実際のサイズを設定します。

マップスケールを1に設定すると、テクスチャのサイズは現実の1メートルに相当します。
(3ds Maxなどの3Dモデリングソフトウェアでは、テクスチャマッピングに現実世界の単位に基づいたUV座標を使用できます)

例:
マップスケール = 1m:テクスチャはワールド空間で1.0mの大きさになります。
マップスケール = 0.5m:テクスチャは0.5mをカバーします。
マップスケール = 5m:テクスチャは5mをカバーします。

これらの値はグローバルです。
そのため、インポートしたモデルをLumionで拡大縮小しても、テクスチャは実際のグローバル物理サイズをカバーします。
モデルに合わせてスケールすることはありません。
つまり、編集モードでモデル自体をスケール(拡大縮小)しても、テクスチャは拡大縮小されません。

この変更により、テクスチャを希望のサイズに簡単にできます。


7.5:レリーフスライダーとノーマルマップ



7.5.1:レリーフ(0% - 200%)

  1. 0% - 100%:レリーフなしからレリーフ/ノーマルマップテクスチャに保存されているレリーフ量までブレンドします。
  2. 100% - 200%:テクスチャに保存されているレリーフの2倍の強さになるまでブレンドします。


注意:ディスプレイスメントマップも使用する場合は、0%より大きい値を設定する必要があります。
セクション9.4「ディスプレイスメントスライダーとマップ」を参照してください。

このテクスチャスロットでは、独自のノーマルマップ(レリーフ)テクスチャをモデルに追加できます。
ノーマルマップはマテリアルに深みとくっきり感を与えます。




ノーマルマップから深さを追加した例:
サンプルプロジェクトのダウンタウンを見てみましょう。

石畳のマテリアル(テクスチャ値とテクスチャマップ):

ノーマルマップ:


レリーフが0に設定された石の、下を向いた状態での見え方です。
また、[ 粗さ ]を最大に設定し、[ ディスプレイスメント ]を0にしているため、この2つはマテリアルに影響を与えず、レリーフがマテリアルとシーンの奥行の見た目にどのように影響するかだけがわかります。


斜めから見ると下図ようになり、端に太陽光が反応して奥行きが出ます。
しかし、レリーフが0であるため、深さはありません。


レリーフを100%にすると深みがでます。


レリーフを最大値の200%にすると、さらに深みが出て自然な見た目になります。



7.6:ノーマルマップの作成と削除

7.6.1:Lumionを使ったノーマルマップの作成

新しいカラーマップテクスチャをマテリアルに追加しても、Lumionはノーマルマップを自動的に作成しません。
ノーマルマップは常に必要というわけではなく、メモリも消費するので、必要な場合にのみ作成してください。

ただし、必要と思われる場合は、簡単に作成できます。

テクスチャマップが読み込まれていることを確認してください:


ノーマルマップを作成するには、コンテキストメニューの[ ノーマルマップ生成 ]ボタンをクリックします:




7.6.2:ノーマルマップ用に作成済みの画像を読み込む

ノーマルマップスロットをクリックして、ファイルを読み込みます。



注意:Lumionがノーマルマップを生成する場合、自分で読み込む場合とは異なりファイル参照はありません。
マップはインポートモデルマテリアルファイルに保存されます。

重要:ノーマルマップとして認識されないマップは使用しないでください。グレースケールのハイトマップテクスチャは適していません。
例:
黒い面などでレンダリングエラーを引き起こすハイトマップ


標準(紫)のノーマルマップ


7.6.3:ノーマルマップの削除

既存の法線マップを削除するには、ノーマルマップ[ テクスチャ削除 ]ボタンをクリックします:



7.6.4:インポートテクスチャ(カラー)マップがある場合

マテリアルタイプをインポートマテリアルからスタンダードマテリアルに変更する必要があります。



その後、[ ノーマルマップ作成 ]ボタンを使ってノーマルマップを作成します。
または、サードパーティのリソースからノーマルマップ画像ファイルを読み込みます:
  1. Lumion Community:テクスチャコレクション(英語)
  2. Lumion Community:テクスチャコレクション

7.7:ノーマルマップのオプション(反転)

7.7.1:ノーマルマップの反転

ノーマルマップがスロットにある場合、このボタンをクリックすると凹凸の方向を反転できます。 



読み込みまたは作成されたノーマルマップ:
 

反転したノーマルマップ:
 

もう一度反転すると、光の向きを反転から通常のレリーフに変更できます。

7.7.2:ノーマルマップのY軸の反転

レリーフ(ノーマルマップ)のソースと、そのマップが作成されたレンダリングエンジンによっては、テクスチャのY軸がLumionが必要とするものと比べて反転していることがあります。
この結果、モデル面の細部のシェーディングが間違ったものになります。
例えば、レンガのテクスチャは、レンガの左側と右側に正しいシェーディングが適用される場合があります。
しかし、レンガの上側と下側からのシェーディングは正しくありません。

これは、[ グリーンチャンネル(Y軸)の反転 ]ボタンで修正できます:




注意:これはLumionのノーマルマップの反転の関数とは異なります。
この関数は、X軸とY軸(またはテクスチャの赤と緑のチャンネル)の両方を反転します。
ノーマルマップの詳細なシェーディングは正しいが、ディテールがモデル面から押し込まれたり浮き上がったりしているように見える場合
に使用します。

Lumionがノーマルマップ(7.6.1)を作成している場合、ノーマルマップはLumionのPBRマテリアルワークフローに対して有効であり、この機能は使用できません。




7.8:粗さスライダーとマップ

反射のシャープさやぼやけ具合を変更します。



Lumion 2023では、グロスマップの代わりにラフネスマップが使用されるようになりました。
Lumion 12以前のバージョンで作成されたシーンを読み込むと、グロスマップは自動的にラフネスマップに変換されます。

粗さは、次のスケールの一端です:粗い <-------------------> 滑らか

つまり、滑らかな部分を定義するグロスマップと呼ばれるマップがある場合、そのマップは粗い部分も定義しています。

そのため、グロスマップスペキュラマップのみが付属するテクスチャセット(通常はサードパーティのもの)がある場合、Lumionでそれらを反転してラフネスマップとして使用することができます。

ラフネスマップがあれば、表面の粗さのスライダーを設定するだけです。



グロスマップをお持ちの場合、Lumionではマップを反転できます。






粗さスライダの値を変更して、反射をシャープにしたりぼかしたりします。


7.8.1:粗さとラフネスマップのスライダー値(0%-200%)

  1. 0% - 100%:黒(ラフネスなし)からテクスチャマスクに保存された値(グレースケール)までブレンドします。
  2. 100% - 200%:テクスチャマスクから完全な白までブレンドします。


7.9:反射性とリフレクションマップ

反射率は、マテリアルの反射がどこで強くなるかを制御します。



7.9.1:反射とリフレクションマップのスライダー値(0%-200%)

  1. 0% - 100%:黒(反射なし)からテクスチャマスクに保存されている値(グレースケール)までブレンドします。
  2. 100% - 200%:テクスチャマスクから完全な白までブレンドされます。


例:
この単純なグレースケール マップを使用して反射の領域をマスクした場合 (黒を使用)、反射の値が100%のときにマスク内の白が完全に反射します。





白い部分に反射が生じます:


床を暗くして反射をよりわかりやすく表示します:



7.10:メタリックとメタルネスマップ

メタリックは、オブジェクトがどの程度金属的になるかを設定できます。
マップは、白い部分をより金属的に、黒い部分をより金属的にしないマスクとして機能します。



7.10.1:メタリックとメタルネスマップのスライダー値(0%-200%)

  1. 0% - 100%:黒(金属性/金属的な見た目でない)からテクスチャマスクに保存されている値(グレースケール)までブレンドします。
  2. 100% - 200%:テクスチャマスクから完全な白までブレンドされます。

  3. 金属性を持つマテリアルは、発泡エフェクトから除外され、通常と同じようにレンダリングされます。


拡張設定:

8. 拡張設定を表示/非表示

[ 拡張設定を表示 ]または[ 拡張設定を非表示 ]ボタンをクリックすると、スタンダードマテリアルのその他のプロパティのインターフェイスが展開されます。




9. 設定タブ(拡張プロパティ)

これらはモデル面のその他の見た目を設定できます。
これらは本来、マテリアルエディタのメイン(インターフェイスの上部)のプロパティで定義された、見た目の核となる部分に対してのオプションです。




9.1:発光の強さとエミッシブマップ

発光は、どの部分が光と影を放射するかを決定します。このプロパティは現在、光源をNits(ニト)で測定しています。 範囲は1 - 10.000ニトです。





正午の太陽は約1,600,000,000(16億)ニト、夜空は約0.001ニトです。
Lumionの発行強度スライダーの最大値は10,000ニトです。

これは、平均的な発光面、テレビ画面(500~1500 ニト)、および光源となる一部の発光面を対象としています。
しかし、日中の太陽や空の明るさには及ばないため、夕暮れ時や夜間のみ表示されます。


9.1.1:発光の強さスライダー値とエミッシブマップ(0% - 100%)

このプロパティは、黒からマスクを使用してブレンドします。



これは、編集モード(サンプル - Streetscape)で、発光したマテリアルセットの例です。
(エディタは3つ星または4つ星)

レンダリングすると、投射される光がこのように見えます:



9.2:ディスプレイスメントスライダーとディスプレイスメントマップ



このテクスチャタイプは平らなマテリアルを立体的に見せます。

ディスプレイスメントマップは、黒 (0) からグレー、白 (255) までの256のオフセット値を持つグレースケールのマスクテクスチャです。
テクスチャのグレースケールトーンによって面のオフセットが決まります。
純粋な黒の値を持つ領域はまったくオフセットされませんが、純粋な白の値を持つ領域は最もオフセットされます。

画像は4で割り切れる必要があります。(例:2048、1052)

また、アーティファクトを回避するには、画像の幅と高さが同じ寸法/解像度であること正方形が最適です。(例:2048x2048、1052x1052)

ソースとなるテクスチャマップのファイルが4で割り切れないか、正方形でない場合は、画像エディタで画像を調整し、テクスチャマップディスプレイスメントマップをリロードする必要があります。

Lumion 10.3以降のバージョンでは、独自のディスプレイスメントマップをインポートできます。
最高のパフォーマンスを得るには、最大幅/高さ4,000ピクセルまでのテクスチャのみをインポートしてください。


このマテリアルとディスプレイスメントマップは、「サンプル - ダウンタウン」のものです。

ディスプレイスメント0%では、石は非常に平坦に見えます。


50%では、石に奥行きと形が加わります。これは、レリーフスライダーとマップ(ノーマルマップ)の深みが加わっています。


100%にすると、この例では強すぎて、石が自然に見えず、形が崩れ、エッジがぼやけます。


注意:ディスプレイスメントは、レリーフの値を0%より大きくする必要があります。
セクション7.5.1「レリーフ (0% - 200%)」を参照してください。

マテリアルライブラリに「D」アイコンがあるマテリアルには、あらかじめ作成されたディスプレイスメントマップが含まれています:



9.3:不透明度とオパシティマップ

不透明度は、どの部分を透明にし、どの部分を透明にしないかを制御します。透明でない部分は不透明です。不透明と透明は表裏一体です。
一部のレンダリングシステムによっては、どちらか一方を使用するため、オパシティマップがある場合は、それを編集して反転させ、不透明マップにする必要があります。(それを行う機能はまだ組み込まれていません)




9.3.1:不透明度スライダー値とオパシティマップ(0% - 100%)

0%から100%まで、黒からブレンドされ、面は完全に見えなくなり(透明)、100%でテクスチャマスクが完全に適用されます(グレースケール、黒は見えない、白は完全に見える)。



9.3.2:透明度を持つ画像の使用

カラーマップが.PNGのような形式で、アルファチャンネル/背景の透明度を含む場合、透明度マップを追加する必要はありません。

Lumionは自動的にアルファチャンネルから不透明度マップを追加します。

別の方法として、JPEGのような透明でないファイル形式を使用してテクスチャを追加し、それに不透明度マップを割り当てることができます。 

例:





9.4:サブサーフェススキャッタリングスライダーと色



ワックス性を覚えていますか?現在、ワックス性2.0サブサーフェススキャッタリングと呼ばれています。この設定では、オブジェクトの物理的属性、特に厚さと半透明度を考慮して、オブジェクトの内部にどれだけの光が残り、どれだけの光が透けるかを計算します。 
例としてはもちろんワックスや人間の皮膚などです。

9.4.1:スライダーの値

0%に設定するとサブサーフェススキャッタリングは無効になり、100%に設定すると最大になります。

9.4.2:色の値

色は面を透過する色に影響します。
黒または非常に暗い色に設定すると、サブサーフェススキャッタリングスライダを最大に設定した場合でも、サブサーフェススキャッタリングは表示されないか、ほとんど表示されません。
この効果は、影の領域や、カメラと光源の間にオブジェクトがある場合に最も顕著に現れます。

サブサーフェススキャッタリングの例:



Lumion 2023の制限:
サブサーフェススキャッタリングは現在レイトレーシング用に完全に変換されていないため、レイトレーシングでレンダリングする場合は、0.5~1.5%程度の値が最適です。


10. UV座標タブ(拡張プロパティ)

テクスチャマップの位置や向きを変更します。



X/Y/ZオフセットY軸を中心に回転/ X軸を中心に回転/ Z軸を中心に回転の変更は、マップスケールスライダの値が0以上の場合のみ可能です。 

0 の場合、スライダーは無効になり変更できません。

また、マテリアルはモデルのインポートされたUV座標を使用します。
(この記事の前のマップスケールを参照)




10.1:X/Y/Zオフセット

これらのスライダーを調整して、マップの軸の位置を変更します。



10.2:方向

Y軸/ X軸/ Z軸を中心に回転:これらのスライダーを調整してマップの向きを変更します。



例:
 


11. 風化タブ(拡張プロパティ)



11.1:風化

スライダーを備えたプリセットは、マテリアルに経年変化や風化効果、汚れ、磨耗したエッジ、苔、錆を追加します。

最初のステップは、使用するマテリアルに合った風化プリセットを選択することです。次にスライダーの値を設定します。
  • プリセット(左上から右下):
    • 石、木、革、銀、アルミニウム
    • 金、鉄、銅、プラスチック
  • 0:マテリアルが新しいことを意味します。
  • 0.0 - 0.5:だんだん古く見えます。
  • 0.5 - 1.0:古く見えるだけでなく、どんどん汚れていきます。



例:



12. ツタタブ(拡張プロパティ)



12.1:伝搬

このスライダーを調整して、葉の分布量を変更します。
ツタの葉が薄すぎたり、不均一に分布している場合は、こちらの記事をお読みください。
  1. ナレッジベース:ツタの分布量が少ない場合どうすればいいですか?


12.2:葉のサイズ

このスライダーを調整して、葉の大きさを変更します。



12.3:葉のタイプ

このスライダーを調整して9つのプリセットから葉の種類を変更します。



12.4:オフセット

このスライダーを調整して、モデル上の葉の分布をランダムにします。



12.5:グラウンドレベル

テレイン/地形からのオフセット。
モデルがLumionのテレイン/地形より上または下にある場合、このスライダーで調整します。
スライダーの値は、メイン設定画面で選択した単位に応じてメートルまたはフィートで表示されます。



13. 設定タブ(拡張プロパティ)



13.1:エッジ

このスライダーはオブジェクトのエッジを滑らかに(面取り)します。









13.2:テクスチャの彩度

値が低いとテクスチャマップイメージの彩度を下げ(ピクセルがグレーに変化)、値が高いとテクスチャマップの各ピクセルの色まで彩度を上げます。






13.3:クリアコート(スライダーのみ)

フローリングの床にラッカーを薄く塗った状態を想像してみてください。それがクリアコートです。
この値を使用して、光沢のある層を追加します。

クリアコートなし:


クリアコート最大:


ヒント:よほど特別なことがない限り中間は選ばず、0%か100%を選ぶことをお薦めします。



これは、オブジェクトライブラリで車のオブジェクトプロパティとして利用できるクリアコートに似ています。
名前が示すように、クリアコートはベースコートの上に塗布される無色の樹脂で、 あなたの車を艶やかに輝かせる層です。



左の球体は100%、右の球体は0%(レイトレーシングはオフ)


13.4:フリッカー低減(スライダーのみ)



この設定は、カメラを動かしたときにモデルの面が重なっている箇所で、ちらついたり消えたりする場合にのみ使用してください。

極端な値の設定は避けてください[ SHIFT ]キーを押しながらスライダーを動かし、表面のちらつきが止まるまでマウスカーソルを左右に動かしながら、少しずつ調整してください。

最良の方法は、3Dモデリングアプリケーションでモデル面を少しオフセットして、ちらつきが最初から発生しにくくすることです。




以前のバージョンからの変更点

14. 備考

14.1: 既存のマテリアルの場合

Lumionは、Lumion2023 で使用するためにマップを自動的に変換します。

マップを組み合わせて使用する場合、以前のバージョンでは、例えば、カラーマップアルファマップを含めると、反射マスクも持つようになっていました。

以前のバージョンのプロジェクトを開いてDocuments\Lumion\Libraryフォルダに保存されたすべてのマテリアルは、Lumion 2023の要件を満たすように自動的に変換されます。 

マテリアルセットやLNMマテリアルファイルなど、マテリアルを編集するとき読み込まれたものは、その場でリアルタイムに変換されます。
変換されたマテリアルでは、すべてのマップが分割されて変換されます。
  1. ナレッジベース:最新のバージョンにデータを転送する方法
  2. ナレッジベース:Lumion 12のスタンダードマテリアルのプロパティで何ができますか?

14.2:新しいマテリアルの場合

個別のマップを追加する必要があります。(透明/不透明をサポートする画像フォーマットを除く)
そのため、アルファチャンネルをマップとして使用して、画像エディタで単一の画像を作成する必要がなくなりました。


関連情報:

  1. チュートリアル:Lumion 2023 フルPBRマテリアルのワークフロー

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