Lumion 2023で水マテリアルを使用するプロジェクトの変更点はなんですか?

Lumion 2023で水マテリアルを使用するプロジェクトの変更点はなんですか?

以前のバージョンのLumionからLumion 2023.0.0(2023年3月13日リリース)にプロジェクトをロードした場合、水の見え方が以前のものと異なります。

Lumion 2023で新しいプロジェクトを開始する場合、水の反射を改善するための変更点がいくつかあります。セクション7をご覧ください。

必要な変更点の概要:

水のマテリアル

以前の水の色合いにできるだけ近づけるために、リセット後に水のマテリアルに微調整を加える必要がある場合があります。
調整の精度はプロジェクトの内容と、そのプロジェクトで何を実現したいかによって異なります。既存のものをそのまま使用することもできます。

エフェクトスタック

古いエフェクトスタックを使用する場合は、設定の調整に多くの時間をかける必要があります。
これらをすべて、サンプルプロジェクトのエフェクトセット(LMEファイルに名前を付けて保存)に置き換えるか、類似の照明や環境用のスタイルを使用することをお勧めします。




この記事では、マテリアルライブラリにある「水」用の既成マテリアルの使用については取り上げません。
詳しく見ていきましょう。

1. 水の見た目の変更

特にレイトレーシングにおいて、水の見た目を最適にするにはどうすればよいでしょうか?

例えば、Lumion 12.5 のサンプルプロジェクト「ビーチハウス」には、「水」マテリアルを使用した素晴らしいスイミングプールがあります。

これらのエフェクトは、LumionチームによってLumion 2023のラスタライズとレイトレーシングで動作するように修正されています。その後、独自のエフェクトを追加し、それらだけを調整してください。

Lumion 12.5:


Lumion 2023:


より穏やかな日の、水面が平らな別の写真です。

Lumion 12.5:


Lumion 2023:


このように色が違います。 どうすれば反射がきれいに見えるか、レイトレーシングに最適なエフェクトは何でしょうか。


2. Lumion 2023の水マテリアル

以下、変更点の重要な詳細です:
  1. ナレッジベース:Lumion 2023.0:リリースノート①「新機能のハイライト」
  2. ナレッジベース:Lumion 2023.0:リリースノート②「その他の新機能と改善点」
  3. ナレッジベース:Lumion 2023.0:リリースノート③「変更点と解決されたエラー」
  4. ナレッジベース:以前のバージョンからLumion 2023への作業の移行に関して
Info
以前のバージョンからLumion 2023への作業の移行に関して」より
4.3.15:水マテリアル

水のマテリアルが改良され、屈折、反射、およびサブサーフェススキャッタリングの計算がより物理的に正確になりました。
海と水の平面(両方ともランドスケープモード)は同じマテリアルが使われており、この改善が見られます。

この変更により、水のタイプのいずれかが適用されている以前のバージョンのプロジェクトを読み込むと、見た目が異なることがあるため、水のマテリアルをデフォルト設定に戻す必要があります。

デフォルトの水マテリアルの設定は、[ マテリアル ]タブ > [ 水 ]をクリックして表示される設定です。




次にスライダーを調整して、[ 色 ]、[ 色の濃さ ]、[ 水の明るさ ]を設定します。
いくつかの設定を確認・変更していきましょう。


2.1:色の濃さ

値が逆になっています。 Lumion 12のスライダー値「1」は、Lumion 2023の「0」とほぼ同じです。
「Beach House」のプールの水マテリアルのスライダーを比較すると、それがわかります。

注:これは、2023.0.0のアップデートで、以前のバージョンと同じように動作するように変更される予定です。

Lumion 12.5(スライダーの値:0-1)            Lumion 2023(スライダーの値:0-100)
 



2.2:水の明るさ

Lumion 12.5(スライダーは値)               Lumion 2023(スライダーは%:最大100)
 


色については、以下のように修正する必要があります。
  1. カラーピッカーのカラー値が旧バージョンと同じであることを確認します。
    プロジェクトのライティングの変更や、[ 色の濃さ ]と[ 水の明るさ ]のスライダーがどのように機能するかによって、調整が必要な場合があります。
  2. 下図のような方法で、できるだけ近づけることができます。
    以前のバージョンの編集モードのスクリーンショットのパネルをLumion 2023に配置



まったく同じにはならないことにご注意ください。
Lumion全体の変更、特にこの場合は実世界のライティングを持つようになったことから、ラスタライズレンダリング(旧バージョンの結果を比較する方法)も全く同じにはならないでしょう。
どこまで近づけるかはプロジェクトのさまざまな基準によって決まります。

プールのタイルの色は、Lumion 2023でよりよく表示されるため、最終的なレンダリングの色に影響を与えることに注意してください。




2.3:反射

現時点では、水はまだレイトレーシングパイプラインに完全に統合されていないという制限がありますが、統合されるよう現在取り組んでいるところです。

その結果、[ 水 ]エフェクトは、レンダリング時にラスタライズパイプラインを使用することになります。
そのため、水面に映る鏡のような反射を正確に表現するために、[ 反射 ]エフェクトで平面反射を追加する場合、
[ レイトレーシング ]エフェクトを追加したレンダリングでは、[ 反射 ]をオフにしなければならず、平面反射は使用できません。

そこでLumionは、投影/グローバル反射とリフレクションコントロールへのフォールバックを使用しています。 
  1. ナレッジベース :投影反射はどのように機能しますか?

リフレクションコントロールの位置は、カメラの位置に基づいて自動的に設定されるようにするのがよいですが、自分で位置を決めて設定することもできます。

下図の例では、近くのヤシの木からの反射をより適切に行うよう設定しました。

代替案 - 反射用にスタンダードマテリアルを適用した平面を追加する方法:

プール用の平面または形状を追加します。マテリアルは、反射性の高いスタンダードマテリアルに設定します。


水マテリアルの表面のすぐ下に配置します。

レイトレーシングと128サンプルの組み合わせで、反射が非常に強くなりました。





3. いくつかの写真を、両方のレンダリング方法でレンダリングし比較

3.1:Lumion 12 - ラスタライゼーション

3.1.1:画像1


3.1.2:画像2


3.1.3:画像3 水マテリアルのcalm waterを使用


3.1.4画像3 水マテリアルのcalm waterと平面反射を使用
水面に平面反射が含まれますが、レイ トレーシングでは不可能なため、1.5 と比較する必要があります。


間違いなく、これは求められた水の表現です。
少なくとも反射についてはですが、2つのバージョンの水を比較して、水マテリアル自体に似たものが得られたかどうかを確認するには、セクション1.3の反射方法を用いたレンダリングを行う必要があります。


2.2:Lumion 2023 - ラスタライゼーション

2.2.1画像1


2.2.2画像2


2.2.3画像3
※反射をよりわかりやすくするフラットな水。



2.3:Lumion 2023 - レイトレーシング

2.3.1画像1


2.3.2画像2


2.3.3画像3
※反射をよりわかりやすくするフラットな水。



4. これまでの結果

レイトレーシングの画像3(セクション2.3.3)は、ラスタライズとよく似ていますが、水面に落ちる反射や影は異なります。
反射はラスタライズでは少しシャープになります。

青はより青くなりますが、色補正エフェクトで少しトーンダウンできるかもしれません。
レイトレーシングでは、より正確なライティングと色を表現できます。 そして、プールの青いタイルがよりよく表現されています、

Lumion 12.5の水は、もう少し透明です。
ただし、レイトレーシングレンダリングで屈折の改善が改善されています。
(水は現在ラスタライズパイプラインを使用してレンダリングされています)


5. 他に調整が必要なものはありますか?

5.1:リアルスカイ-見直すべき点

このプロジェクトのLumion 2023の[ リアルスカイ ]エフェクトは、Lumion 12.5のリアルスカイ(Clear - Clear 4)とは異なるリアルスカイ(Cloudy - Cloudy 4)を使用していす。
そのため、同じ空と太陽のライティングをより適切に比較するには小さな変更が必要でした。



4.2:使用したエフェクト

Lumion 12.5 :


Lumion 2023:
最適な環境になるよう調整するため、Lumion 2023のエフェクトセットを使用する必要があります。
※レイヤーの可視性を追加しています。


レイトレーシングを追加

このサンプルプロジェクト(および他のプロジェクト)では、エフェクトセットを更新され新しいパイプラインとレンダリングシステムで最適に動作します。
そして、Lumion 12のエフェクトセットを調整するのではなく、最終的にはこれらのエフェクトを使用し、さらにいくつかの微調整を加えています。

そうすることで、すべてのエフェクトを調整する無駄な時間を省くことができ、ライティングやレンダリング品質に影響を与える重要なエフェクトのバランスを整える作業に、より一層集中することができます。
特に[ レイトレーシング ][ リアルスカイ] [ 色補正 ]エフェクトを使用した場合にです。

Lumion 12からLumion 23にエフェクトセットを読み込んだ場合:


ほとんどのエフェクトは同じです。
古いエフェクトを使用するときの値は、Lumion 2023のレンダリングとマテリアルのパイプラインで現在必要とされている値と一致しない場合があります。

5.3:エフェクトの調整

トーンマッピングと特に露出に対しては[ 色補正 ]エフェクトを使用して、全体的な見た目を微調整します。


6. レンダリングを比較してみましょう

6.1:比較1

フラットな水(画像3)のレイトレース(上)とラスタライズ(下)を比較

5.2:比較2

フラットな水(画像3)のレイトレース(上)と平面を使ったラスタライズ(下)を比較


6.3:比較3

インタラクティブスライダー:平面反射を使用した、よりフラットな水のP3レイトレース(左)とラスタライズ(右)を比較します。



7. アップデート 2023.1.0 における水の反射の改善

レイトレーシング画像の品質が向上し、水面の反射がレイトレーシングされるようになりました。
つまり、水マテリアルのレンダリング結果にレイトレーシングされた反射が含まれるようになりました。

水面のレイトレーシング反射には、以前のバージョン 23.0 と同じ制限があります。
一部のオブジェクト(自然、アニメーション 3D キャラクター、デカール)はまだレイトレーシング レンダリング パイプラインに完全には組み込まれていません。
23.0.3 までの水マテリアルに含まれていた自然オブジェクト(のみ)の投影反射(グローバル)は、品質が低すぎることが多いため当面削除されています。

7.1:回避方法

当面この問題を回避するには、ネイチャーオブジェクトの反射が重要な場合は2パスレンダリングプロセスを使用してください。

レイトレーシングとラスタライズに同じカメラビューをレンダリングします。
2つの写真スロットを使用するのが最も簡単です。以前のようにスタンダードマテリアルの追加プレーンを含める必要はありません。
[ 反射 ] > [ 平面反射 ]を選択し、水面を選択して平面反射を追加します。

ラスタライズ レンダリングを含めるには、イメージオーバーレイ(不透明度 50%)を使用できます。


または、ラスタライゼーションレンダリング用のマテリアルIDマップを出力し、イメージ エディタを使用してプールの面を選択し、そのラスタライゼーション レンダリングの選択内容をレイ トレーシング レンダリングにコピー/貼り付けします。

7.2:2023.1と2023.0 比較

インタラクティブスライダー:反射を比較。
レイトレーシング 2023.1 の改善された反射とレイトレーシング 2023.0 の制限された反射




関連情報:

  1. ナレッジベース:以前のバージョンからLumion 2023への作業の移行に関して
  2. チュートリアル:Lumion 2023 Lumion2023へようこそ
  3. チュートリアル:Lumion 2023 フルPBRマテリアルのワークフロー
  4. チュートリアル:Lumion 2023 レイトレーシングエフェクト

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