Lumion 2024でのレイトレーシングエフェクトの使い方を教えてください。

Lumion 2024でのレイトレーシングエフェクトの使い方を教えてください。



レイトレーシングは、シーン内のオブジェクトと相互作用する光線の経路を計算してトレースすることで、現実世界の照明の挙動を正確にシミュレートするレンダリング手法です。
これにより、リアルな影や反射が得られ、ビジュアライゼーションのフォトリアリズムと忠実度が飛躍的に向上します。


1. 方法は以下の通りです

Lumionでは、レイトレーシングエンジンはカメラモードまたはムービーモードのエフェクトで有効になります。

このエフェクトは、お使いのPCにレイトレーシング対応のグラフィックカードが搭載されている場合にのみ有効になります。互換性については下記記事のセクション1.6を参照してください。
  1. ナレッジベース:Lumion 2024にはどのグラフィックカードが必要ですか?
また、Windowsは最低限必要な条件を満たしている必要があり、完全にアップデートされていることを推奨します。
詳しくは下記記事を参照ください。
  1. ナレッジベース:Lumion 2023を使用するにはどのコンピューター必要ですか?
お使いのグラフィックカードがこの技術に対応している場合は、写真またはクリップ エフェクトを追加するだけでレイトレーシング・エンジンが有効になります。
このエフェクトは「フィーチャー」または「ライティング」カテゴリにあります。



シェーディング、反射、全体的なアンビエントライティングが大きく改善されていることにお気づきになるはずです。

レイトレーシング オフ


レイトレーシング オン


レイトレーシングを使用するその他の利点
  1. エリアライトと発光マテリアルに影ができるようになりまさいた。
  2. すべての光源のサブサーフェススキャッタリングとの相互作用が改善されました。
  3. 手動で反射面を追加しなくても、完璧な反射が得られるよういなりました。
  4. ガラスが影を落とすようになり、被写界深度と共に使用できるようになりました。
  5. スクリーンスペース効果がないため、カメラに面していない発行面も光を放ちます。
  6. より自然な色になりました。

レイトレーシング オフ


レイトレーシング オン



レイトレーシングは、より正確でリアルな光の挙動をエミュレートするため、レイトレーシング効果が 写真 またはクリップに適用されると、以下エフェクトは無効になります。
  1. グローバルイルミネーション(Lumion 2023のみ。このおエフェクトはLumion 2024では非推奨となりました。
  2. ハイパーライト
  3. 反射
  4. スカイライト
  5. シャドー



2. エフェクトの設定

Lumion 2024では、レイトレーシングエフェクトに6つの調整課の名オプションがあります。


2.1:品質のプリセット

レイトレーシングには4つの異なる品質設定があらかじめ用意されています。
[ サンプル数 ]、[ バウンス数 ]、[ 完全なレイトレースガラス ]のトグルは、選択したプリセットによって変わります。:


カメラモード:

 品質
設定高速バランス最高品質
サンプル数1664256512
バウンス数3578
RT ガラスOffOffOnOn

ムービーモード:

 品質
設定高速バランス最高品質
サンプル数141664
バウンス数5678
RT ガラスOffOffOnOn


ムービーモードでは、動画がより少ないサンプル数でより速くレンダリングする別のノイズ除去を使用するため、事前構成された設定が異なります。
設定を変更すると、品質プリセットが [ カスタム ]に設定されます。


2.2:サンプル数

このスライダーは、光の精度をコントロールするために、1フレームあたり1ピクセルに照射される光線の数を調整します。
サンプル値が大きいほど、照射される光線の数が多くなり、交点が計算されるため、レンダリングの精度とディテールのレベルが高くなります。

16サンプル


256サンプル


サンプル数の値を大きくすると画質が向上しますが、レンダリング時間が長くなことにご注意ください。
例えば照明の少ない暗い屋内シーン(通常よりノイズが多くなる)など、必要な場合にのみ大きくしてください。
ただし、明るい屋内環境や屋外のシーン(またはクイックドラフトレンダリング)では、通常は低いサンプル 数(約16)で十分です。


16サンプル


256サンプル


そのため、サンプル数を増やしてもあまり違いが分からない場合は、貴重なレンダリング時間を節約するために設定を減らす方が良いでしょう。
特にムービーモードでは、1サンプルでも使用可能なビデオを作成できる別のノイズ除去が使用されるためです。


2.3:バウンス数

バウンスの数は、光と反射しない物体との相互作用をシミュレートします。
光線がオブジェクトに当たると、特定の方向にランダムに跳ね返ります。
その結果、色が互いに影響し合うレンダリング内において、異なる表面間で滑らかにブレンドされ、収束した画像が得られます。

値が高いほど、グローバルイルミネーションが良好になります。


2バウンス


6バウンス


屋内のシーンでは、できるだけリアルな光のバウンスが必要です。


3.4:ノイズの低減

レイトレースされたレンダリングでは、光の挙動をシミュレートするために複雑な計算が行われるため、一般的にノイズが発生します。
ノイズの低減は、写真やムービーの粒状感を低減するために使用される重要なツールで、ノイズの多い画像を分析し重要なディテールを保持しながら、これらの不完全な部分をインテリジェントに平滑化することで、より綺麗で視覚的に美しい最終レンダリングを実現します。



ノイズを効果的に除去することで、ノイズ除去機能はレンダリング画像全体の品質を高め、より洗練されたプロフェッショナルな画像に仕上げます。
必要以上に多いサンプル数は、ライティング条件が適切であればノイズ除去の必要はないかもしれませんが、レンダリング時間が長くなります。


2.4.1:ムービーモードのノイズの低減オプション

ムービーモードでは、2つのノイズ除去を選択できるオプションが追加されていることにお気づきでしょう:
  1. OIDN:カメラモードで使用されるノイズ除去です。洗練されたノイズ除去アルゴリズムを採用しており、高品質な結果が得られますが、処理に多くの計算リソースと時間を必要とする場合があります。時間が気にならない場合は、ODINを試してみてください。
  2. NRD:このノイズ除去は、効率とスピードのために最適化されており、ハードウェアアクセラレーションやニューラルネットワーク推論などの技術を活用し、良好なフレームレートを維持しながら高速ノイズ除去パフォーマンスを実現します。

2.4.2:ノイズの低減オプションの仕組み

  1. カメラモードで[ ノイズの低減 ]がオンの場合:プレビューはNRDでノイズ除去される。 最終出力はOIDNでノイズ除去される。
  2. フォトモードで[ ノイズの低減 ]がオフの場合:プレビューはNRDでノイズ除去される。最終出力はノイズ除去されない。
  3. ムービーモードで[ ノイズの低減 ]がオンの場合([ ノイズの低減 ]のドロップダウンで何かが選択されている場合): プレビューはNRDでノイズ除去される。最終出力は選択されているデノイザーでノイズ除去されます。
  4. ムービーモードで[ ノイズの低減 ]がオフの場合([ ノイズの低減 ]のドロップダウンで何も選択されていない場合): プレビューはNRDでノイズ除去される。最終出力はノイズ除去されません。

2.4.3:ノイズの低減の概要

  • プレビュー:NRDは常時使用。
  • HQプレビュー:OIDN が常に使用されます。
  • 最終レンダリング - ノイズ除去オン:
    • カメラモードのデフォルトノイズ除去: OIDN
    • ムービーモード:選択したオプション(NRDまたはOIDN)

 プレビューハイクオリティプレビュー最終レンダリング
 (MP4 クリップ/ムービー)

カメラモード:

ノイズの低減:ON

NRDOIDNOIDN

ノイズの低減:OFF

NRDOIDNノイズ除去無し

ムービーモード:

ノイズの低減:ON

オプション:ビデオ (NRD)

NRDOIDNビデオ(NRD)

ノイズの低減:ON

オプション:画像 (OIDN)

NRDOIDN画像(OIDN)

ノイズの低減:OFF

NRDOIDNノイズ除去無し

 

 

2.5:ファイアーフライ低減

レイトレースされたレンダリングにおいて、ファイアーフライは画像全体に散在する孤立した高輝度ピクセルとして現れる、小さくて明るい不要なアーティファクトです。
このようなファイアーフライは、光線とシーン内のモデル面やマテリアルとの複雑な相互作用に起因することが多く、通常、低照度のシーン、反射面、または非常に明るい照明がある場合に現れます。
この問題に対処するため、Lumionには[ ファイアーフライ低減 ]フィルター機能があります。



ファイアーフライフィルターはあるピクセルを取り出し、 その近くのすべてのピクセルを調べます。
近傍の画素と現在の画素の差が大きすぎる場合は、 近傍の画素の平均色に置き換えられ、 結果としてレイトレースされたプレビューでも画像がきれいになります。


ファイアーフライ オフ


ファイアーフライ オン


フィルターをオンにすると、地面のマテリアル、 電柱、樹木にあるファイアーフライがどのように減少するかに注目してください。


2.6:完全なレイトレースガラス

Lumion 2024では、完全なレイトレースガラスを導入しています。
この設定を有効にすると、ガラスに屈折率と反射率のプロパティが追加されます。



レイトレースされたガラスについて知りたい方は、下記の記事を参照ください。
ナレッジベース:Lumion 2024の新しいガラスマテリアルとレイトレースガラスの設定を教えてください。(準備中)


5. 技術的な制限

レイトレーシングエフェクトは、レンダリング出力の品質を驚くほど向上させます。
しかし、以下の記事で説明されているように、その使用には一定の制限があります。
  1. ナレッジベース:以前のバージョンからLumion 2024への作業の移行に関して(準備中)

関連情報:

  1. ナレッジベース:レイトレーシングエフェクトがブロックされるのはなぜですか?
  2. チュートリアル:Lumion 2023:レイトレーシングエフェクト

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